ブッダの遺した言葉の一つに「一切皆苦」というものがあります。
これは、「人生を生きていくことは全てが苦しみそのものだ」という意味です。
何とも辛辣な言葉ですね。
しかし、ブッダは人間の生をただただ悲観したのではありません。
確かに生きていると、とりわけ年を取るにつて、辛い出来事は増えてきます。
順調に思えた人生が、ほんの小さなことをきっかけに一瞬で崩壊してしまうこともあります。
辛い出来事は神様が意地悪をしているのではないかと思うほど立て続けに重なることがあります。
しかし、そんな「一切皆苦」に思える人生の中にも必ず「喜び」はこれまでも、そしてこれからも存在します。
「一切皆苦」の人生だからこそ、小さな喜びが色鮮やかに輝くのです。
真っ白な紙の上よりも、真っ黒の紙に塗られた原色の点の方がより際立って目に入ります。
それと同じように、「人生は苦しみばかりだという漆黒の前提」から始めるからこそ、そこにおこる「小さな喜びの原色」が際立って感じられるのではないでしょうか。
辛い出来事が重なった時、人生が嫌になった時
人生は「一切皆苦」なのだから、漆黒が深ければ深いほど喜びは輝くものなのだと思い直してみてはいかがでしょうか。
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