誰かの行動が気になってイライラしてしまう。
他人の発言や考えをつい非難してしまう。
子どもや配偶者、部下や後輩などに、ことあるごとに叱咤したり小言を言ってしまう。
こういったことはありませんか?
もしあれば。それはあなたの頭の中で「怒り」の感情が癖になりやめられなくなってしまっているかもしれません。
脳の中では電気信号が絶えず発火を起こし思考や反射を起こしています。
そんな中、特定の感情や思考が繰り返し行われると、その電気信号回路が強化され、同じ反応が起こりやすくなります。つまり脳の使い方に「癖」がついてしまうのです。
中でも「怒り」の感情は実は「快感」として脳に記憶されます。
怒っている時、他人を叱咤している時、その人は実は快感を感じているのです。
そのため、「怒り」の感情は脳の中で嗜癖化(癖になる)しやすいのです。
「怒り」の嗜癖状態に陥ると、イライラしたり、怒鳴ったりすることが「目的化」してしまいます。つまり「怒りたがり」になってしまいます。
「怒り」による快感はその後「苦しみ」を引き起こします。「怒り」を感じる時、身体は緊張し、疲弊します。また、他人に怒りの矛先を向けてしまうことに、心を痛めたり、自分の怒りを正当化するための余計な思考(言い訳)を必要としてしまいます。
また、何より、怒ることを目的に他人に当たり散らす人は、嫌われます。
しつけや指導を装って、怒りの快感に浸っている人の言葉は、それを受け取る人にとって不快感しか与えません。
これが「厳しくても慕われる」指導者や親とそうでない人物との違いを生みます。
何だかイライラしたり他人を非難したり怒ってばかりだと言う人は、自分が「怒り」の嗜癖状態に陥って、怒ることが目的化してしまっていないか振り返ってみてはいかがでしょうか。
仏教では「三毒」といい「人間にとって良くないものの」一つに瞋(じん)=「怒り」を想定します。
「怒り」はあなたを蝕みます。
「怒り」が嗜癖化する前に、「怒り」が目的になってしまっていないか自問してみましょう。
コメント